社長ごあいさつ

国内に留まらず、世界各国で質の高い
“食”&“ホスピタリティ”を提供し、
地域に貢献し続ける企業を目指します

「適応力」が求められた2022年度

当社社長に就任し1年目であった2022年度は、新型コロナウイルス感染症に加え、地政学や為替リスクの拡大、物価高騰など想定を超える様々な変化に適応することが求められた1年でした。

このような環境下で「再生・変革」から「成長」を目指す中期経営計画2022~2024がスタートし、後述の通りカテゴリー別に施策を推進しました。この施策の着実な実行に加え、「成長」を目指して社員一人ひとりが連携を強め、既存事業と新規事業の課題と向き合いながら業績回復に臨んだことで、2022年度は売上高1,040億円、営業利益は21億円と、コロナ禍以降では初めて通期で経常黒字となりました。

 国内では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に伴う行動規制が緩和され、コロナ禍以前のように外食を楽しまれるお客様が増えてきています。2022年度は、コロナ禍の影響が大きかった前年度よりも、お客様に質の高い“食”&“ホスピタリティ”を楽しんでいただけるようになり始めた1年でした。この波に乗り、さらなるロイヤルグループの成長に向けて邁進していきます。

幸先の良いスタートを切った中期経営計画2022〜2024

2022年度は、中期経営計画2022〜2024の初年度でもありました。同計画では、時間や場所にとらわれない“食”&“ホスピタリティ”の提供をビジョンとし、当社の事業領域をカテゴリー別に区分して戦略を立てているところに大きな特徴があります。2022年度は、従来の事業ポートフォリオの課題を基に新たな事業ポートフォリオを再構築し、各カテゴリーにおける既存領域と事業創造領域で様々な施策を実行しました。

 カテゴリー1・2(外食・コントラクト・ホテル事業)では、外食事業におけるロイヤルホストや天丼てんやの既存店での需要回復を受けて、高付加価値メニューの提供や店舗・厨房の改装を行いました。また、急激な需要回復に対応するための人員確保と同時に、従業員の負担軽減のために、タブレットオーダーやセルフレジなどを導入しました。引き続き、デジタル・テクノロジーの活用を通じた生産性の向上を図っていきます。また、コントラクト事業においては、外出制限の緩和に伴う空港やサービスエリアを利用するお客様の増加を見込み、積極的に店舗の改装や業態転換を行い、さらなる売上回復を目指しています。ホテル事業は、外国人観光客に対する水際対策の緩和が2022年10月からであったことからも、外食事業より遅れての業績回復となりましたが、コロナ禍を経てそれぞれのホテルに求められる役割の見直しを進めています。2022年12月にリニューアルオープンした「リッチモンドホテルプレミア東京スコーレ」では、部屋の内装を①アート ②旅 ③こども ④食 の4つのグループに分け、それぞれのシーンに応じた施設や雰囲気づくりに着手しました。

 カテゴリー3・4(食品事業)では、2019年より開始した「ロイヤルデリ」の販路拡大や業務用商材の開発を推進しています。今後は競争の激しい冷凍食品市場の売上拡大に加え、食材ロスの観点から、アウトレットショップの機能拡大や、フードトラックの活用にもチャレンジしていきます。

 カテゴリー5(海外事業・食材開発)では、資本業務提携契約を締結した双日(株)の海外ネットワークを活用することで、海外事業拡大への弾みをつけています。海外の天丼てんやは、2023年3月現在、5つの国と地域で32店舗を運営しています。海外フランチャイズビジネスでのノウハウを積み上げることで、今後はロイヤルホストの海外運営も視野に入れた直営事業基盤の構築を図っていきます。

 これらの各カテゴリーの施策の中で、DXの取り組みとして、既存事業に縛られない自由で新しい発想の店舗の開発を進めています。加えて、原材料の調達、生産管理、物流、販売までの工程の見直しや、店舗業務効率化、そして、共通のシステムでグループ横断的に利用できるサービスの開発を2024年までに実現できるようDXの取り組みを推進しています

ロイヤルグループの経営基本理念を礎とした、マテリアリティ策定

当社のサステナビリティ経営では、ロイヤルグループの経営基本理念を礎に、「地域・社会に根付いた企業となり、すべてのステークホルダーから共感・支持を得られる企業」を目指しています。

このサステナビリティ経営をさらに推進させるために、GRIのフレームワークを参考にしながら有識者、経営層、各種ステークホルダーの意見を集約し、①人財 ②“食”&“ホスピタリティ” ③資源・環境 ④地域 ⑤ガバナンス という5つのマテリアリティを2023年に策定しました。①人財においては、従業員の成長を第一に、健全な労務と職場環境の維持向上、ダイバーシティ&インクルージョンの浸透などに向けて、積極的な人財投資を推進します。②“食”&“ホスピタリティ”では、健康への配慮や食品サービスの付加価値向上に注力し、明るい社会の創造に貢献します。③資源・環境においては、食品廃棄物削減やリサイクル活用の推進、および省エネルギー施策の実行により、さらなるCO2排出量の削減を目指します。また、④地域では、多様化する地域・社会のニーズに合わせた社会貢献活動を推進し、最後の⑤ガバナンスでは食品調達・商品表示・情報管理において信頼を得られる体制を構築し、ステークホルダーとのエンゲージメント強化を図っていきます。これらのマテリアリティの取り組みを着実に実行していくことにより、ロイヤルグループ全体の持続可能な成長を目指していきます。

 ロイヤルグループは質の高い“食”&“ホスピタリティ”の提供により、また、事業を通じた社会課題の解決により、地域社会から必要とされる企業を目指しながら、既存事業への積極投資と、事業創造領域の育成という両輪経営を行っています。私たちは2021年に創業70周年を迎えましたが、中期経営計画2022〜2024は、当社が100年企業になるための基盤固めだと捉えています。この基盤固めを着実に遂行し、国内に留まらず、世界各国で質の高い“食”&“ホスピタリティ”を提供し、地域に貢献し続ける企業を目指します。

代表取締役社長 阿部 正孝

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中期経営計画2022~2024
~「再生・変革」から「成長へ」~