社長ごあいさつ

「ロイヤル経営基本理念」を不変の指針に、「挑戦」と「融合」が交差する次なる四半世紀へ。
戦略的アライアンスで新たな価値を創造し、国内外の成長を「食と泊」で加速させる。
デジタルによる進化と、人でしか成し得ない価値。その先に、社会を笑顔にする未来がある。

中期経営計画の力強いスタート

2025年度は、物価高騰が続く厳しい外部環境下にありながらも、ロイヤルホストやリッチモンドホテルをはじめとする既存事業が着実に収益を牽引しました。その結果、2期連続で過去最高となる売上高および経常利益を更新し、「中期経営計画2025~2027」の初年度として極めて価値あるスタートを切ることができました。また、オフプレミスの事業創造領域においては、完全子会社化した「たびスル㈱」が初年度から黒字化を達成しました。これは当社のM&A戦略の妥当性を裏付けるものであり、今後も国内外の事業承継や文化継承という観点で、当社グループらしいM&Aの可能性を広く視野に入れていきます。

2026年度は、成長の勢いをさらに加速させ、グループ全事業で収益性を高めていく方針です。外食事業においては引き続き収益構造の深化に邁進し、中期経営計画利益目標を1年目で達成したホテル事業については、現状に満足することなく、さらなる高みを目指した次なる成長フェーズへと移行します。また、コントラクト事業では「点を面に広げる」ドミナント戦略を継続し、事業基盤を盤石なものにします。これら一連の施策を通じて、2026年度は経常利益88億円、および5期連続の増収と経常増益を実現し、2027年度の目標である「経常利益100億円」達成に向けた確実なステップとする決意です。

不変の理念を指針に、100年企業に向けたアライアンス戦略

当社グループは、2025年度に設立75周年を迎えました。グループの歩みを振り返ると、最初の50年は「挑戦」、次の25年は「融合」の期間でした。100年企業を目指すこれからの25年は、アライアンス戦略を通じて「挑戦」と「融合」を高度に組み合わせる、さらなる飛躍のフェーズになると確信しています。

創業以来、私たちは外食産業の発展に向けた挑戦や、他社との共創による融合を通じて事業を多角化し、『食とホスピタリティ』の提供領域を拡大してきました。グループに加わった各社の事業領域や業態は多岐にわたりますが、いずれも「ロイヤル経営基本理念」への共感をベースにつながってきた歴史であることは間違いありません。100年企業に向けた次なる四半世紀においても、この不変の理念を指針としたアライアンスを通じて、新たな価値創造に努めます。

外食事業については、国内の事業基盤を維持しつつ、グローバル戦略の下、直営とフランチャイズを両軸とした展開で海外での規模拡大を推進します。不確実性の高い海外市場では、双日㈱のネットワークを最大限に活用し、ベトナム、シンガポール、北米などの重要エリアにおいて、直営事業のさらなる拡大に挑戦していきます。また、2013年から海外展開しているてんやの新規エリア開拓に加え、他ブランドのフランチャイズ展開も視野に入れ、攻めの姿勢を崩さず進めます。

2025年度の海外外食事業は経常赤字となりましたが、これは中長期的な成長に向けた「成長痛」と捉えています。減損リスクを最小限に抑えつつ、国内以上に慎重かつきめ細かな投資判断と経過観察を行う必要があると考えています。

一方、国内ではコントラクト事業とホテル事業を成長の軸として捉えています。当社の強みは、外食事業で培ったノウハウを組み合わせ、新たな価値創造を行える点にあります。2025年度は、コントラクト事業での高付加価値なラウンジの受託や、ホテル事業での「MINOR HOTELS」との合弁によるラグジュアリー領域への進出など、『食×泊』を軸とした幅広いサービス提供体制が整いました。この強みを活かし、既存領域からラグジュアリーまで全方位に『食とホスピタリティ』を提供する幅を広げ、アライアンス戦略を推進することで、より多様なお客様へ当社グループの提供価値を届けていきます。

不確実な環境への対応と「三方よし」の判断軸

昨今の物価上昇や地政学リスクといった環境変化に対し、組織としての柔軟性を持つことが不可欠です。当社グループでは、各事業会社の役割を最適化することで、環境変化にしなやかに対応できる体制を構築しています。

例えば、店舗では現場のオペレーションと教育機能の充実に徹底して注力する一方、上流業務である商品開発、企画、調達などは専門の別部門に役割を切り離しています。これにより、変化の激しい環境下でも各部門の注力領域が明確化され、グループ全体の対応速度と組織のしなやかさを向上させることができます。

私は難しい経営判断に迫られたとき、「すべてのステークホルダーにとってご満足いただけるものか」という軸で物事を見るようにしています。すなわち「三方よし」の形が出来上がっているかということです。例えば、米の需給が不安定な状況下においても、長年築き上げてきたお取引先様との良好な関係により、通年での国産米の安定調達を実現しました。その結果、海外米や古米を使用せず、国産米を提供し続けるというお客様との約束を守り抜くことができました。この姿勢の根底にあるのが、創業より受け継がれてきた「ロイヤル経営基本理念」に他なりません。これは経営の指針であるだけでなく、全従業員が立ち返るべき心の拠り所でもあります。

グループブランディングと「人でしか成し得ない価値」の最大化

「ロイヤル経営基本理念」が示す本質的価値とは、料理のおいしさ、行き届いたサービスと清潔さ、そしてお客様にとって心地よい空間―すなわちQSCA*の追求です。

この理念は不変ですが、その実践方法は時代に合わせて変化させなければなりません。現在、お客様に提供する本質的価値を改めて言語化し、各事業の従業員が実践すべき行動に落とし込んでいくグループブランディングを進めています。私たちの原点を自分事として浸透させることがグループ全体の価値となります。その価値をお客様に訴求していくためにも、既存店の店舗改装をはじめとしたリブランディングや、グループ共通アプリ「MyROYAL」を通じたブランドの浸透に注力しています。
* Quality(品質)、Service(サービス)、Cleanliness(衛生)、Atmosphere(雰囲気)の略。

そして、その価値の核にあるのは、デジタルやAIに代替できない「人でしか成し得ないサービスや調理技術」です。お客様のお迎え、丁寧な盛り付け、お見送りの一言―こうしたお客様との直接的な関わりを大切にすることだと考えています。ただ料理がおいしいだけではなく、ホスピタリティの行き届いたサービスや店舗の雰囲気までを含めて「行って良かった」とお客様に思っていただける体験価値こそが私たちの提供する本質的価値で、これを磨き、継承していくことが人財中心経営の核と捉えています。

だからこそ、お客様に直接向き合う最前線のメンバーが自らの役割を考え、現場で実践を通じて「ロイヤル経営基本理念」を体現・浸透していくことが当社グループの教育の中心です。このようなマインドや考え方は、現場で人から人に教えられることで初めて伝わります。新設された「ロイヤルアカデミー」で理念やスキルを学びつつも最終的に教育を完成させるのは現場であると考えています。

一方で、バックオフィスや店舗管理業務については、データドリブン経営を推進し、積極的に効率化を図ります。マーケティングやブランド部門を新設し、データ分析を内製化したことで、より迅速な意思決定が可能になりました。非対面業務の効率化によって生まれた時間を、現場がさらにお客様と向き合うために充てる。これこそが、私たちの提供価値を最大化する道だと考えています。

「地域や社会を笑顔にする」サステナビリティ経営

2035年に向けた経営ビジョン「『食とホスピタリティ』で、地域や社会を笑顔にする」の実現に向け、2025年度は取り組むべき活動の上位概念を整理しました。例えば、ロイヤルホストでの「こども食堂」やリッチモンドホテルの「100万人のクラシック」といった活動を通じ、地域社会と共生するための方向性は確かなものになっています。また、ステークホルダーの定義に「地球」を加えたことで環境分野の取り組みも進展しました。GHG排出量や食品ロスの削減に向け、食品残渣を活用したリサイクルループの構築や、食品リサイクル発電による再生可能エネルギーの活用など、当社のビジネスモデル特性を強みに変える取り組みが進んでいます。

食から始まった私たちの歴史は、今やコントラクト、ホテル、海外事業へと広がりました。今後もアライアンス戦略を通じて新領域へ挑戦していきますが、それらはすべて「ロイヤル経営基本理念」に基づいた『食とホスピタリティ』の提供の延長線上にあります。提供価値を磨き続けることで、関わるすべての地域や社会を笑顔にしていくことを目指します。

代表取締役社長 阿部 正孝

ブランド一覧

外食産業

コントラクト事業

IR資料室

経営ビジョン2035・
中期経営計画2025〜2027