双日㈱との共創で加速するロイヤルグループの成長戦略

双日㈱出身の当社社外取締役2名と会長による座談会の集合写真

双日㈱出身の当社社外取締役2名と菊地会長による座談会を実施し、
それぞれの視点から、双日㈱との共創を通じた成果と将来成長への期待感について語りました。

座談会参加メンバー

  • 社外取締役平井 龍太郎
  • 社外取締役齋藤 英暢
  • 取締役会長菊地 唯夫
菊地

まずはお二方から、簡単な自己紹介と役割認識についてお聞かせください。

平井

社外取締役に就任して5年目になります。双日㈱においてコーポレート部門や営業部門、海外地域での業務に携わり、キャリアの終盤では代表取締役も経験しました。商社パーソンとして、また代表取締役としての経験から、グローバルベースの成長戦略やガバナンスのサポートと助言を行うことが自分の最大の役割だと考えています。

齋藤

2026年3月26日に社外取締役に就任したばかりです。双日㈱では産業系プロジェクトやエネルギー関連、インフラ関連の様々な営業に携わり、現在はリテール・コンシューマーサービス本部長を務めています。ロイヤルグループの強み『食とホスピタリティ』と、商社のスケーラビリティやスキーム構築などを掛け合わせることが私の役割だと思っています。カーボンクレジットなど、サステナビリティ関連の経験も活かし、この分野でも貢献したいと考えています。

資本業務提携の成果と課題

菊地

2020年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社は、売上高が約1,400億円から約840億円に、自己資本は約500億円から約200億円に減少し、自己資本比率も約50%から20%を切る水準になりました。すべての事業が影響を受け、成長戦略の再策定が必要な中、2021年2月に双日㈱と資本業務提携を締結しました。当初はコロナ禍の「守りの提携」という面で、コスト削減やキャッシュアウト抑制で大きなサポートをいただきましたが、この2年間は「攻めの提携」に移り、海外展開を一緒に進めているステージです。平井取締役はこれまでの提携を振り返り、どのような成果と課題があったと評価されていますか。

平井

海外事業など新しいチャレンジに取り組む際の前提条件が、双日㈱との協業によって大きく変わったと思います。先日、「7割は築いてきた伝統や価値観を守り、3割は未知の領域にチャレンジする」という言葉をブランドブックで拝見し、今のロイヤルグループを象徴する考え方だと感じました。双日㈱は、この「7:3」が逆で、全体の7割がチャレンジという中で、事業のスピード感を重視しています。この異なる企業文化の融合が最も大きな成果であったと考えます。

菊地

もしコロナ禍がなかったら、「7:3」という現在の比率すら生まれてこなかった可能性が高いと思っています。ダイナミックにビジネスを変えていく商社との提携の中で、当社グループも変わらざるを得ないという危機感が生まれたことは、非常に大きな成果だったと思います。齋藤取締役は就任して間もない新たな視点から、提携をどのように捉えていますか。

齋藤

日本は人口減少も含めてファンダメンタルでの成長は厳しく、企業は海外に出て行く必要があります。私は米国駐在中の5年間、海外は日本企業がもっと活躍できる市場だと考えていました。現在は外食事業を中心に海外展開を進めていますが、ホテル事業、食品物販事業など様々な事業展開ができる余地があると思っています。価格に対する品質が高い日本の特徴を活かすことができれば、日本企業は価値以上の品質が提供されている日本の特徴を活かすことができればグローバル市場で、もっと成長できる可能性があると思います。

菊地

資本業務提携時、「当社グループのコンテンツと双日㈱のネットワークを組み合わせて企業価値向上を図る」と発信しました。そのコンテンツとは、外食事業だけでなく様々な領域での可能性があると思います。

平井

双日㈱は従前より海外の株主が多く、議決権行使助言会社からの要請を受けて、10年以上前から、コンプライアンスやサステナビリティ推進などの体制整備を進めてきました。外食と総合商社と事業体の違いはありますが、この知見をロイヤルグループで活用してもらうことを意識しています。

菊地

当社の株主構成は、国内の個人株主が多く、資本市場からのプレッシャーは相対的に強くないと言えるかもしれません。結果としてスピード感のある変革が起きにくいというリスクがあると考えます。資本市場からのプレッシャーを受けながら変革を進めてきた双日㈱の知見を借りられることは、すごく良いことだと思っています。

海外事業展開の加速

菊地

現在の当社グループの海外展開について、どのように評価されていますか。

平井

外食ビジネスは、当該国でのブランドの浸透、サプライチェーンの構築、人材の育成など、事業を育て成果を出すまでに一定程度の時間を要することがわかってきました。今は、トライアンドエラーを繰り返して蓄積してきた知見を踏まえて、海外展開を加速する段階に来たと考えています。

菊地

当社グループは、過去に何度も海外でのチャレンジと失敗を繰り返していました。その後、成功体験が必要だと考え、リスクを軽減するフランチャイズ展開でアジア圏に出店してきました。国内の人口減少の影響が深刻化する中、海外事業のさらなる加速には人と資本を現地に投入する必要があります。しかし、単独では難しく、双日㈱との資本業務提携を経て初めて具現化できる機会が生まれたと思います。

齋藤

海外で成功するにはマーケットインの考え方が重要です。国内で良しとされているものが海外で通用するとは限らず、その地域に合った食の追求が必要です。自分たちのアイデンティティはしっかり持ちながら、現地の方の考え方やマーケティング、サプライチェーンを含め、どこまでローカライゼーションできるかが重要です。100年以上海外で事業をしている商社でも「日本人が日本人の考えで、海外でオペレーションをしている」という状態で、本当の意味でのグローバル企業にはなれていないということがあります。

菊地

現在ベトナムや北米で注力しているのは、まさにその反省を踏まえたチャレンジです。ロイヤルホストやてんやは、日本で完成されたブランドで、海外展開する際の可変部分が小さく、マーケットインにならないという課題がありました。ベトナムではノウハウを持って行き、マーケットインの視点で業態をどんどん作り、成功事例を拡大するというアプローチにしています。このアプローチ方法は、当社だけでは実現しえなかったと思いますし、協業によりリスクマネーを大きくとることができていると考えています。

人材戦略と組織改革

菊地

海外で持続的成長を実現するためには、人材がとても重要です。当社におけるグローバル人材は限定的で、少しずつ外部からの採用を進めています。

平井

双日㈱は人的資本経営に早期から取り組んできました。経営統合の前後に多くの人材を失いましたが、そのときの経験を受けて、企業の持続的成長には優秀な人材の定着が不可欠と学びました。人が育つ前提は、仕事そのものがチャレンジングであることに加え、会社がOJTを通じて若い人材の活躍を後押しすることです。現在のロイヤルグループには、世界の各地で前例のないチャレンジに従事している若い人材がいます。こうした人材が、5年、10年を経て会社を変えていくのだと思います。様々な領域で種まきを進めることで、そこに関わった人材が会社の成長に貢献するのです。

菊地

当社グループは、かつて事業や業態といった縦軸が非常に強い会社で、マーケティングやIT、人事、財務、サステナビリティといったグループ横断的な横軸がなかなか刺さりませんでした。しかし、双日㈱との提携を通じて外部の声が入り、事業間の異動が盛んになったことで、固着していたものが緩み、横軸が刺さるようになりました。これは成長の土台であり、過去にこういった経験をされた双日㈱との提携は、大きな意味があったと考えています。

M&A戦略の進捗

菊地

現在株価が上昇している外食企業は、M&A、海外展開、DXの3つに取り組んでいます。当社グループも2000年から2010年にかけて、機内食、ホテル、てんや、コントラクトの一部などM&Aを続け、2018年度時点で売上高約1,377億円、経常利益約57億円となりました。もしこのM&Aがなければ、売上高も利益も全く規模の違う会社になっていたと思います。

齋藤

M&Aについては、クライテリアもありますが、まず何を得たいのかだと考えています。規模感ももちろんですが、例えばフランチャイズの仕組みがしっかりできている会社、もしくは販売力を持っている会社など、ロイヤルグループが何を得ようとしているのかが重要です。

菊地

たびスル㈱買収時は、コロナ禍の反省から、人流に依存しない事業をポートフォリオに加えようという発想でした。M&Aは、ロイヤルグループに欠けている力や時間を買うといった発想も含めて、色々な考え方があります。

平井

非連続な成長のためには、本業を太くする投資に加えて、一見本業とはかけ離れた事業領域への投資も必要です。機会起点のM&Aだけでなく、戦略を起点としたM&Aの検討、すなわち事業領域、機能、地域という軸で、もっと一緒に考え、アプローチすべき対象を定めて、将来の成長に向け、一定程度のリスクマネーを投入していくことが必要ではないでしょうか。

菊地

ゆくゆくは、共創を通じてグローバルで拡大する“食”と“ホスピタリティ”グループを目指したいと考えています。企業価値にはValue(比較可能な価値、お値打ち感)とWorth(この会社のサービスだから利用したいと思える本源的な価値)の2つがあります。日本国内には、規模は小さくともWorthで顧客とつながっているブランドがたくさんあります。そういったブランドと共創することで、単体ではなしえないことも可能となり、日本の外食産業・ホスピタリティ産業も変えていくことができるのではないかと考えています。

今後のロイヤルグループへの期待

平井

アジアを中心としたグローバル市場でしっかり通用するプレミアムカジュアルダイニングとして、成功してほしいと強く思っています。そのキーとなるのは、現在それに従事している従業員の皆さんです。こうした人たちの成長の輪が、将来のグループの成長に直結していくと確信しています。彼ら彼女らの頑張りを応援したいと思います。

齋藤

ロイヤルグループには、「不易流行」という軸を感じています。何かで迷ったとき、困ったときの判断にこうした軸を持っていることは非常に重要なことです。この「不易流行」をどうレバレッジするのかが成長の鍵ですが、海外展開であれ、国内のM&Aであれ、軸があれば必ず強いものができると思います。こうした部分で力になれるよう貢献したいと思います。

菊地

「不易流行」というのは、コロナ禍で私が従業員によく言っていた言葉です。本質を守っていくためには変わらざるを得ない、この時代には両方が必要だということを表しています。当社グループは、上質な時間と空間を提供し、グローバルで成長する“食”&“ホスピタリティ”グループを目指し、海外展開の加速、戦略的なM&A、次世代を担う人材育成と組織改革などに取り組んでいます。新たな挑戦を続け、グループのコンテンツと商社のスケーラビリティを掛け合わせ、唯一無二の「Worth」を創造する。そのプロセスこそが、株主の皆様の期待に応え、従業員が誇りを持って働ける未来を創る道だと確信しています。

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